各損害保険会社はBP工場に対して、入庫選定の強化を始めています。
SBI損害保険は2017年10月からテュフラインランドジャパンが認証するBP工場に優先的に入庫させると発表を行いました(2017年8月31日SBI損害保険株式会社より発表)。
>>記事はコチラ
また同様に、ソニー損保も2017年12月1日からテュフラインランドジャパンが認証するBP工場との提携を推進する取組みを発表しました(2017年11月17日ソニー損害保険株式会社より発表)。
>>記事はコチラ
BP業界では新素材や先進自動運転技術、環境配慮、法令順守などに対応する設備、技量を有するか否かが、将来的な車両入庫を左右すると見られています。テュフは上記2社以外にも「さまざまな方面で協議中」としており、今後、上記2社以外の損保会社でも、テュフ認証がBP工場の入庫誘導の一定基準になる可能性もあります。
実際にBSサミットやその他の団体でも、既にテュフ認証の取得を推奨しており、「認証取得を先送りにするのはリスクが大きくなる」と警鐘を鳴らしています(BSサミットニュースVol.26掲載)。
テュフラインランドジャパンは、ドイツの国際的な第三者検査機関であるテュフラインランドの日本法人です。
BP工場向けの監査や認証サービスなども実施しています。テュフのBP認証工場は最上位の「プラチナ」と、高水準ランクの「ゴールド」の二つです。この認証を得るにはハードルが高く、例えば「プラチナ」に基づく認証は、以下のような高い要求事項を満たす必要があります。
「大型輸入車も修理できる作業スペースと設備の保有」
「修理品質の社内管理体制の確立」
「従業員に対する継続的なトレーニングの実施」
車体構造や部材が多様化している今、BP工場もその技術や環境に対する対応が求められています。テュフラインランドによる認証は、工場の品質レベルを図る上で公正な審査基準として全世界で認められていますが、その導入には多額の投資が必要となります。こういった多額の投資を行うことができないBP工場は、入庫誘導が減少していくと見られています。
このような新たな認証の採用による入庫誘導の変化に振り回されない為にも、直接のお客様をつかんでおくことが今後ますます重要となってきます。